ジャックスは、1960年代後半に活動した日本のサイケデリック・ロックバンド。活動当時は一般的な人気を得ることもなかったが、解散後、日本のロックの先駆者として高い評価を受けるようになった。メンバーは、早川義夫(ボーカル)、水橋春夫(ギター)、谷野ひとし(ベース)、木田高介(ドラム)。ジャックスの特徴は、若者の心の内面の悩みや葛藤を前衛的に表現する歌詞と、早川の情念的な歌唱、そして、木田のジャズを指向した音作りにある。プログレッシブ・ロックを思わせるジャックスの楽曲と活動は、後に、フォーク・クルセダーズ、はっぴいえんどと並んで、欧米の模倣ではない「日本のニューロック」に先鞭をつけたバンドとして再評価を受け、現在では高い評価を得ている。
Jacks / ジャックスの系譜
1967年7月 – 第1回「ジャックス・ショウ」開催(新宿・日立ホール)。
1967年9月 – ヤマハ・ライト・ミュージック・コンテストで2位に入賞。
1968年3月 – シングル「からっぽの世界」でレコードデビュー。
1968年9月 – ファーストアルバム『ジャックスの世界』を発表。
1968年9月 – 水橋春夫が脱退。
1968年11月 – 角田ひろ(ドラム)が加入。木田高介はドラムから、サックスやフルート、ヴィブラフォンに替わる。
1969年7月 – 第5回「ジャックス・ショウ」のステージ上で解散を宣言。
1969年8月 – 第1回全日本フォークジャンボリーの出演を最後にジャックスは解散。
1969年10月 – セカンドアルバム『ジャックスの奇蹟』が発表される。
Jacks / ジャックスのアルバム
・ジャックスの世界 (Vacant World) (1968年9月10日、東芝エキスプレス EP-7704)
マリアンヌ / 時計をとめて / からっぽの世界 / われた鏡の中から / 裏切りの季節 / ラブ・ジェネレーション / 薔薇卍 / どこへ / 遠い海に旅に出た私の恋人 / 冷たい空から500マイル
・ジャックスの奇蹟 (Jacks Super Session) (1969年10月10日、東芝エキスプレス EP-7726)
ジョーのロック / この青い海に / 堕天使ロック / 運命の囚人 / TO LOVE YOU / Dm 4-50 / 花が咲いて / 君をさらって / ロール・オーヴァー・ゆらの助 / ハゥ・トゥ・ラヴ / 敵は遠くに
解散後に発売。セカンドアルバムレコーディング中に解散してしまったため、アルバム一枚を埋める量の音源が無く、ファーストの没テイクやそれ以前の音源などを流用して、何とかアルバムの体裁を繕ったという曰く付きの作品で、そのため、バンド名のクレジットが「ジャックス」ではなく、「ジャックス・スーパー・セッション」となっている。
・Echoes In The Radio (1986年3月31日、東芝イーストワールド WTP-72433)
遠い海に旅に出た私の恋人 / 地獄の季節 / マリアンヌ(アコースティック・バージョン) / われた鏡の中から(アコースティック・バージョン) / この道 / いい娘だね /
時計をとめて
1966年から1968年にかけて、ニッポン放送の「フォーク・ビレッジ」用に録音したスタジオライブから収録。”遠い海に旅に出た私の恋人”、”地獄の季節”は、早川義夫と高橋末広のフォーク・デュオ時代の録音。